AGURI UCHIDA

画家、内田あぐりのブログ

今日臨終

 

 少年の日、“今日臨終”という言葉を知りました。座右名というほどの大袈裟なものではありませんが私の好きな言葉となりました。画家はいつもただいま描いている絵が絶筆となることを覚悟していなければなりません。

 

                                   麻田鷹司

 

学生の頃に麻田鷹司先生から時折聞いていた言葉「今日臨終」。この時代の麻田先生に学んだ学生たちはみなこう言われて育ったのです。

「あぐりさんは命がけで絵を描いているよね、あ、少し違った、死ぬ気で描いてるよね」と、麻田先生が飲みながら言われた言葉を思い出す2020年の年の瀬。

 

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麻田先生が好きだったタバコ、ゴロワーズ。入院先のベッドの上で「ゴロワーズを吸いたいな、持ってないか」と聞かれて、バッグから恐るおそる差し出した私。病院のベッドの上で美味しそうに吸ってらした。この時麻田先生は57才、翌年に逝ってしまわれて、あまりにも早すぎる死。

ゴロワーズのすえた水色は日本画の顔料で銀灰末という絵具、麻田先生がとても好きだった絵具、先生の風景を描いた空間はこの銀灰末だった。私も真似をして、20代で描いた人間像のほとんどの背景は銀灰末の絵具。 

《生命のリアリズム 珠玉の日本画》展、 終了いたしました

 

 神奈川県立近代美術館 葉山で開催していました《生命のリアリズム  珠玉の日本画》展、12月20日をもちまして終了いたしました。

この展覧会の中で内田あぐりの特集展示を開催していただき、とても勉強になりました。

 コロナ禍という大変な状況の中を、大勢の方々にいらしていただきまして、どうもありがとうございました。この展覧会を契機として、これからも絵を描いていこうと、心新たに思っているのです。

 会場のインスタレーションビューは写真家の山本糾さんに撮影をしていただきました。

 

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内田あぐり VOICES いくつもの聲 記録集発売のお知らせ

現在、原爆の図丸木美術館で開催中の展覧会記録集が12月下旬に刊行予定となり、下記のように予約を受け付けております。丸木美術館スタッフの方々やデザイナー、編集してくださった方などの多くの手により、素敵な記録集が生まれます!

 

A4判40ページ、内田あぐりと岡村幸宣氏のテキスト、会場写真を多数掲載しています。

 

デザイン:渡邊 翔

会場撮影:内田亜里

編集協力:西澤晴美(神奈川県立近代美術館学芸員)

発行:原爆の図丸木美術館

一部:300円+送料180円

予約をされる方はお名前、住所、電話番号、必要部数、などを丸木美術館までお知らせください。予約していただいた方には私のポストカード二部もついています。

https://marukigallery.jp/

info@marukigalleru.jp

刊行後、郵便振替を同封して美術館から記録集を発送いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

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内田あぐり VOICES いくつもの聲

 

(お知らせ)

内田あぐり VOICES いくつもの聲

Aguri Uchida  Voices 

 

会場:原爆の図丸木美術館

会期:2020/11/7(土)ー2021/1/24(日)

 

この展覧会では、会場導入部において、私と丸木位里、そして私と俊の描いたそれぞれの人間表現が呼応しあう展示空間を構成します。大きな展示室では私の横8メートルの新作と位里の半世紀前に描かれた絵画などを展示します。

最初の部屋に展示されている俊の描いた子供達の水彩画(にんげんー表紙原画 1973年作)は大阪の人権博物館に所蔵されていたものですが、今年7月の人権博物館の閉館に伴い、武蔵野美術大学美術館に移管をされてコレクションとなりました。私は2017年に膠の研究調査で人権博物館を訪れた際に、「原爆の図 高張提灯」とともに子供達の絵を拝見したのですが、とても生き生きとした生命力に溢れた絵に感動をしました。今回の丸木美術館での展覧会に俊が描いた子供達の絵と一緒に展示できることになり、楽しみにしているのです。

一枚だけここにアップしておきますね。私の大好きなジャージの女の子です。

 

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photo by Kitazawa Tomoto

 

展覧会の詳細は美術館の下記ウェブサイトをご覧ください。

https://marukigallery.jp/

どうぞよろしくお願いいたします。

 

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フライヤー、ポスター、入場券などのデザインは最近ずっとデザインをお願いしている渡邊翔さん、武蔵美の視覚伝達デザインを卒業なさった若きデザイナーです。