リトグラフ 石のまわりで 公開制作 vol.2
リトグラフの石は、普通は四角い石ですが、誤って石を落としてしまうことが時折あるそうです。その時に割れてしまったけれど、捨てられずに残っていた石の断片を、版画の元田先生が「こんなのもあるよ」と見せてくださって、偶然に出来た欠けたフォルムの美しさに魅了されてしまいました。今回の公開制作では3点の欠けた石への描画を試みてみました。
普通の四角い石へも描いています。
暖かくてやさしい石に触れていると、どうしてもリトグラフのクレヨンでゴリゴリ描くことに勇気が出なくて、リトの溶き墨を日本画でよくやっているように、たらし込みと線描で表現してみたのです。
刷りでこの微妙なたらし込みの感じが出てくれるといいけど。
美術館の担当スタッフが撮ってくださいました。
夢中になると、ときおり石を抱いて描いたりしてます。
リトグラフを始めて作ったのは、22歳の大学院の頃ですから、今から45年ほど前になります。当時は石を自分で研磨したのですが、石と石を重ねて八の字を描くようにすり合わせて研磨する方法でした。今は研磨をする金具のようなものでやっているようですね。下の作品はその時に作った小さなリトグラフ、多分年賀状にでもしたのかと思いますが、アトリエの引き出しから出てきました。他にも2点少しお大きな作品を作りましたが、だいぶカビが出てしまっています。この時は石の目が少し残っていて、リトクレヨンで描いても石の目が潰れずに筆触などもそのままいい感じで出ています。この時の石の感触がとても好きでした。
その後、武智鉄二の画廊からリトグラフ集を出すことになり、その時はもう石ではなく、ジンク版というアルミのような金属の版になっていました。
太田紀行 vol.8 現代日本画へようこそ、最終日
本日、6月10日をもちまして、太田市美術館図書館で開催していました
開館1周年記念 佐久市立近代美術館コレクション+「現代日本画へようこそ」
が終了いたしました。
遠方の所を、お忙しい中をいらしてくださった皆様、本当にありがとうございました。
いつか、この展覧会をきっかけとして、よりスケールアップした「現代日本画へようこそ」の展覧会が開催されることを祈って。
最終日の今日、遣らずの雨でしたね。
クローズした会場の画像は、担当学芸員の小金沢智さんのFbからお借りしました。
太田紀行 vol.7 Japan Snake Centerと白蛇姫
白蛇姫、突然にあらわれた美しい人だったな、腰まで垂れた柔らかい髪と白蛇が絡みつくよう。
白蛇姫って、アイヌの伝説に出てくる女神さまのことよね、いつか絵に描きたいなー。
一緒にいたスーツの男性もこの世のものとは思えない、異界の人よね、ふたりはぜったい。
太田紀行 vol.6 娘たちと
太田在住のアーティスト、片山真里さんと偶然に会えて、みんなで一緒に記念撮影。
片山さん、素敵な女性で、会えて嬉しかった。
娘の亜里とだいぶ前の群馬青年ビエンナーレで一緒だったそう、片山さんが覚えていてくださって、小金沢さんからお聞きしました。亜里もびっくり。
不思議な出会いですよね、それも太田でとても嬉しかったできごと。
この写真、映画「八日目の蝉」のようだ、と友人が言ってたけど。
リトグラフ 石のまわりで 公開制作 vol.1
「石は正直である」
ヴィスコンティの書体
ヴィスコンティの映画「若者のすべて」、途中で寝てしまったけど。
冒頭の書体が素敵だったので備忘のために。
武蔵美の展覧会のカタログ、こんなのにしようかなー。
リトグラフ 石のまわりで
ーリトグラフ 石のまわりでー の展覧会が5月21日から始まります。
私はリトグラフの公開制作で参加します、公開制作は5月末頃に美術館1階で行います。
昨日は美術館内部に作られた公開制作のための場所へ、描画材やドローイング、資料などを運んで自分のアトリエの巣作りをしました。
少しでもこの場所で心地よく制作できるように、周囲の目を気にすることなく、なるべく普段の雰囲気で制作に集中できれば、と思ったのです。
画家にとって、ただその場所に行って制作すればできるという、人が思うほど公開で制作することはそう安易なものではなくて、決心がいるのですよ。
絵を描くことは、どんな些細なことでも、助走が大切だと私は思うのですね。
少しだけ入り口近くに見えるリトグラフのプレス機、石に描いたものを、このプレス機で版画の教員が刷ってくださるそうです。
それにしても、どうやってあの重いプレス機を美術館まで運んだのでしょうね!
謎です。
傍のプレス機の存在を見るにつけ、
自分の作品が刷られていることを想像すると、気持ちが高揚してくるのです。