鳥取紀行 vol.4 ムーヴィングドローイング・ワークショップ@鳥取県立博物館
7月20日に日本画画材によるムーヴィングドローイングのワークショップを行いました。
ワークショツプのアシスタントは武蔵美日本画学科1年、3年、大学院生、油絵学科の2年生。彼女たちは旅するムサビで鳥取に滞在制作をしていた学生たちです。
学生たちの参加者への日本画画材の指導がとても良かった!!!
そして日本画研究室助手+卒業生の皆さん。
モデルは舞踏家の大竹有凞さん。
参加者は大人から子供までの40人前後の参加者でした。
展覧会場の私の作品や他の作品の前で、舞踏家の大竹さんに踊っていただきながら、ムーヴィングドローイングをしたのはは初めてのこと、やはり作品や舞踏家のモデルを身体で感じながらのドローイングはとても素晴らしいことだと実感。
参加者のドローイングはフォルムも色も今までには見られない良い作品となりました。
photo by Ari Uchida
鳥取紀行 vol.2
鳥取7月18日 2日目
北栄町役場 旧北条庁舎1階
除籍予定資料 民具資料のお別れ展示
収蔵施設の有効利用のために整理した民具資料を公開展示し、重複などによる除籍予定資料を偲ぶ展示。除籍予定資料は引き取り希望の申し出があれば展示終了後にお譲りします。という展示。
7月13日〜8月26日まで。
鳥取のNHKニュースで流れたものをSNSで知り、2日目に早速訪問、展示1週間なのにすでに予約のシールがどの民具資料もいっぱい貼られている。中には相当な数の予約シールが貼られている人気民具も。
担当の方に伺ったところ、予約をした方はほとんど県内の一般の方、中には農家の方もいらっしゃるそうです。あまりの人気なので、役場の方もびっくり。
でも、生活民具が捨てられなくてよかった、本来の元の場所に戻ってよかった!
私も欲しいものがあって予約シールをたくさん貼ってきたけど、多分、当たらないだろうなー、と思う。
明治時代の印刷の絵が簡易軸装されたもの。かつての雛祭りの時などに雛人形が買えない人は土人形を飾る、土人形も買えない貧しい人は印刷された雛祭りの絵を飾る、だったそうです。
明治時代の印刷って、なんだろう。色彩はかなりヴィヴィッドに残っています。北栄町の博物館館長に話を伺うと、この手の物は博物館に寄贈されてもほとんどが捨てられてしまうもの、価値が全くないと思われているそうです。
キッチュな絵柄と色彩で面白い、見たことのない絵ばかり、これは欲しいなと思う!
研究室の資料にしたいからと頼んだけど、無理だろうなー、最後は抽選で決まるそうだから。
あの物量と予約シールをどうやって抽選するんだろうかしら。
高等小学校の理科の時間で子供達に見せていた鳥類の図、ダチョウの絵、これも印刷だけど。
面白い絵。背景も南方のヤシの木があって不思議。これも欲しい。
北栄町役場 旧北条庁舎
建物が渋くてなかなかかっこいい、丹下健三の建築みたいだといったのは為壮真吾くん。
すぐ近くにある倉吉市庁舎は1957年の建築で丹下の作品、もしかしたらここもそうかな。
鳥取紀行 vol.1
7月17日、鳥取瓦町のことめやさんに無事に着地。
ことめやさんはかつては遊郭だったそうで、今はコワーキングスペースとアーティスト・イン・レジデンスを運営してらっしゃいます。
19日からの鳥取県立博物館での展示を控えて、少しだけ街を散策。
鳥取の街は商店建築やビルなど、面白い素敵な建築がいたるところに残っています。
それと、鳥取の街は純喫茶が多いのです、まずは駅前アーケードにあるチャップリンを訪問、特製のプリンアラモードをいただく。
美味しかったぞ!
もう一つ鳥取名物はカレー、どこのお店に入ってもカレーのメニューがあって、それも薬膳カレーを出してくれるお店が多いのです。アーケード街にある小さなカレー屋さんも、自分の畑で採れた野菜やお米で作ってる、だからかしら、これが本当に美味しかった!
朝カレーとかしていた私たちでした。
鳥取のカレーは抜群です!
1階の柱が緩やかにカーブしててエレガント。
ことめやさんの近くにある路地裏の古いバー街、この中で古いバーをカフェレストランにリノベしてるお店で夕食。
Cafe-nee. ここもボリュームあって美味しかった!
テナント募集不動鳥取、エンタシスの柱!!ここでギャラリーやるといいな。
リトグラフ 石のまわりで 公開制作 vol.3
リトグラフの刷りや指導をしてくださった、遠藤先生と元田先生、どうもありがとうございました。4点も制作してしまって、たくさんのリトグラフを刷りをしていただきました。
とても楽しかったです。
最後にサインを入れる際に、矩形の作品はそれほどでもなかったのですが、欠けた石の作品は、余白へのサインの位置や大きさや形、それと絵との関係にとても悩みました。
90年生きてても考えることはとまらない
武蔵美の絵画組成室で、学生たちが模写をしたジオットやボッティチェルリの絵をみる寺田小太郎さん。
寺田さんの覚書:
・生まれた場所、風土などは人の根底にある。
・歴史の勉強をすること。
・人間とはなんぞや。
・自然に対していい加減な見方をしないほうが良い。
・90年生きてても考えることはとまらない。
・絵を描くことは食えないと思ったほうがいい、だから絵描きは度胸がいる。
リトグラフ 石のまわりで 公開制作 vol.2
リトグラフの石は、普通は四角い石ですが、誤って石を落としてしまうことが時折あるそうです。その時に割れてしまったけれど、捨てられずに残っていた石の断片を、版画の元田先生が「こんなのもあるよ」と見せてくださって、偶然に出来た欠けたフォルムの美しさに魅了されてしまいました。今回の公開制作では3点の欠けた石への描画を試みてみました。
普通の四角い石へも描いています。
暖かくてやさしい石に触れていると、どうしてもリトグラフのクレヨンでゴリゴリ描くことに勇気が出なくて、リトの溶き墨を日本画でよくやっているように、たらし込みと線描で表現してみたのです。
刷りでこの微妙なたらし込みの感じが出てくれるといいけど。
美術館の担当スタッフが撮ってくださいました。
夢中になると、ときおり石を抱いて描いたりしてます。
リトグラフを始めて作ったのは、22歳の大学院の頃ですから、今から45年ほど前になります。当時は石を自分で研磨したのですが、石と石を重ねて八の字を描くようにすり合わせて研磨する方法でした。今は研磨をする金具のようなものでやっているようですね。下の作品はその時に作った小さなリトグラフ、多分年賀状にでもしたのかと思いますが、アトリエの引き出しから出てきました。他にも2点少しお大きな作品を作りましたが、だいぶカビが出てしまっています。この時は石の目が少し残っていて、リトクレヨンで描いても石の目が潰れずに筆触などもそのままいい感じで出ています。この時の石の感触がとても好きでした。
その後、武智鉄二の画廊からリトグラフ集を出すことになり、その時はもう石ではなく、ジンク版というアルミのような金属の版になっていました。