AGURI UCHIDA

画家、内田あぐりのブログ

研究紀要・制作ノートのための覚書 vol.10

 

2019年1月31日、2月1日撮影。

 

(絵を縫うことについて)

使用しているのは紙縒と生の厚口楮紙(ドーサ引きでないもの)、帆刺針、紙縒りは墨で染めている。

ドーサ液(うすい膠液に少量のミョウバンを入れた液体)で描いた生の厚口楮紙からフォルムを作り切り抜く、それに墨、黄土、朱土、などの天然の絵の具を塗布する。ドーサ液が効いている部分は紙の白さが残り、効いていない箇所は絵の具が染みて滲んだ表現となり、偶然に生まれた白と墨の表現がそこに生まれる。画面上に描いた人体のフォルムの上に楮紙をあてて、新たなフォルムを作り出す。楮紙をさらに切断をすることで人体のフォルムは解体され、その部分を縫合する。制作をしていく中で、縫う行為は肉体的にいちばん苦痛をともなう時である。

 

f:id:aguriuchida:20190706145416j:plain

 

 

f:id:aguriuchida:20190706145528j:plain