キッド・アイラック・アート・ホールの閉廊
キッド・アイラック・アート・ホールは窪島誠一郎氏(信濃デッサン館、無言館館主)が1964年に開業した美術、音楽、演劇、舞踏、朗読、映像など、領域を超えた表現活動を行うホールです。1998年頃に道路の拡幅により、現在のホールに移転し建物も新しくなりました。
ホールの壁は以前のホールも今も真黒で、闇のような特異な空間で個性的で多様な芸術表現が展開されてきました。
今年の12月をもって多くの表現者やファンに惜しまれながら、ホールは閉業となってしまうそうです。
私も移転前ののキッドで個展を2回開催しましたが、50数年にわたり領域を超えた表現活動をする作家達の活動を支えてきたキッドが閉業してしまうのは、たまらなく残念なのです。
沖縄の銀ネム
沖縄には至る所に銀ネムという合歓の木に似た低木が繁茂しています。銀ネムは沖縄戦の後に焦土と化した沖縄の緑化のために、米軍がこの種を上空から散布したと言われているハワイ産の外来種の植物です。銀ネムは繁殖率が高く、従来の沖縄の在来固有種の木々や植物の生育を脅かしています。現在は沖縄のみならず、南九州までその生育範囲は広がっているそうです。かつて、戦時中に南の島で銀ネムの種を食べた兵士たちは、皆丸ハゲになってしまったらしいです。
家畜の餌にもならず、切っても切ってもすぐに生えてくる銀ネム、アダンの木を覆い尽くしてしまうほどの生命力に、久高島の人々は手を焼いている現状です。
「游魚」が文学フリマに出ます
詳細:第23回文学フリマ東京
・2016年11月23日(祝)11:00-17:00
・入場無料
・東京流通センター第二展示場(東京モノレール「流通センター駅」下車1分)
・出展名:木の聲舎
・出展場所:1階EホールG-5
沖縄取材日記 vol.4 東村高江
国頭村奥の宿から東側の海岸線を走り高江へ。今回の沖縄へ来たのも、どうしてもヤンバルの森と高江を、テレビのニュースや新聞で報道されないネットでしか伝わらない現場を、この目で見たかったのも理由の一つなのです。高江は機動隊の車が道路沿いにずらりと並び、ゲート前には愛知県警の機動隊の車や機動隊が並んで、それはものものしい状況。ゲートに立っているガードマン?は皆サングラスにマスクと言ういでたち、それだけでも怖すぎるのに。私の車は検問に引っかからなかったけれど、途中であった旅の人たちは検問でトランクの中まで調べられたそうです。
高江の村は青い海とヤンバルの森に囲まれた、とても静かで暮らしやすそうな美しい場所なのです。
United States Marine Corps 通称USMC, アメリカ合衆国海兵隊のこと。東村高江のヤンバルの森の中を車で走ると、いたるところにUSMCと書かれた木の杭が無造作に打たれています。
ヤンバルの森の一部、ここは日本なのにアメリカの土地なのですね。
自然環境調査の仕事をしている石垣島在住の友人の話ですと、真夜中にサワガニの調査でヤンバルの森にいると、顔を黒く迷彩に塗り銃を持って軍事訓練をしているアメリカ兵が突然現れることがあるそうです。そんな時、ちゃんとした英語で話してくれないらしいのですね、「What's for !」とか、よくわからない英語で怒鳴られ、環境調査の許可証を見せると去っていくそうです。とても怖いと話していました。それに彼らはペットボトルやゴミを森の中に捨てていくらしいのですね。
ヤンバルの森の上を何機ものヘリコプターが飛んでいました。中には爆音を立てて私の頭上ギリギリを飛んでいくのもあったり、おそらくヘリパッド建設のための機材を運んでいるんでしょうか、それとも偵察。滞在してた国頭村の宿屋の上もひどい爆音で飛んでいて、びっくりして慌てて外に飛び出した私でした。それにしても米軍のヘリコプター、こんなに自由に日本の上空を飛んでも良いのでしょうか?
まるで爆弾とか何か怖いものでも搭載しているような恐怖心を煽る灰色の巨大な塊、今って
戦時中ではないですよね。
後で調べたら、このヘリコプターはCH-53ヘリという輸送用の大型ヘリ、車や重機などを宙吊りで運ぶことができるそうです。アメリカ版戦争映画などにもよく登場するあのヘリ。沖縄の海兵隊がこのヘリを持っているそうですが、過去に墜落事故などの被害が多いらしいです。あの脳天をつんざくような爆音、問題になっているオスプレイはCH-53の4倍近い爆音が出るというから、こんなものが上空を飛び交う沖縄の日常は精神的にも肉体的にも苦痛そのものですよね、ましてオスプレイの最近の墜落事故があったにもかかわらず、飛行再開でふつーに飛んでいるなんて。
本当に日本はひどい国になってしまった。
人間のみならず、ヤンバルに生息するヤンバルクイナやその他のヤンバル固有の動物や生き物にとっても、ヤンバルの森は破壊しないでほしいのです。
沖縄取材日記 vol.3 国頭村、奥の玉村方久斗と竜宮と猫
11月1日(火)から5日(土)まで国頭村に滞在。
国頭村の小さな宿に到着。宿は沖縄最北端の辺戸岬の小さな村にあります。
宿の周囲は鬱蒼とした南国の木々に囲まれ、すぐ近くは小さな入江となっていて、
この辺りは竜宮の入り口と言われてるそうです。入り組んだ入江はまるで龍の頭のような形をしているのです。
宿で出迎えてくれたのはオス猫、名前は「あら」です。「あら」はしあんに言わせると猫ではなくて「あら」なのだそうです。
「あら」は夜になると私たちの部屋に夜這いに来て、布団の中に入って寝るのです。
宿の食事はとても美味しい、朝夕と地元で採れた魚や野菜、沖縄の
フルーツなどを大皿で出してくれます。
そして、玉村方久斗の孫に出会えたこと、こんな辺境の地で偶然とは思えないほどに。玉村方久斗は横山大観の彼女を横取りしたことで大観から破門され、その後は一人で日本画家として自由に西洋の感覚を取り入れながら制作をした素晴らしい近代の画家です。私も最近、オークションで玉村方久斗の小さな作品を手に入れ、近代日本画の中でも最も好きな画家なのです。
なので、本当にびっくりでした。
玉村さんと宿のご主人とのショット。
石垣島在住の珊瑚礁や自然環境の調査をしている方と出会えて、南の島のことをいろいろと聞けたのも嬉しかったこと。宿ではほんとよく飲みました!
宿のご主人の得体の知れないお酒、美味しかったのです。
沖縄取材日記 vol.2 那覇から国頭村奥へ
国頭の宿の庭に咲く、月桃。