AGURI UCHIDA

画家、内田あぐりのブログ

映画 シリアの花嫁

 

 

イスラエル・フランス・ドイツ映画 監督:エラン・クリス 2004年

 

愛とは古くさい言葉ですが、それでも何とか役に立つ言葉です。

愛と言う言葉は、思うに、葛藤を、そして葛藤の中にある人々を描き、

これほどの苦しみ、憎しみと死を経験してきた地域の物語りを描く

カギとなる言葉です。

私の映画はペシミスティック(悲劇的)な世界を前にして、

私たちみんなが持たねばならないある種のオプティシズム(楽観主義)を巡るものです。

そのペシミスティックな世界の中で、花嫁は結婚するために、

世界の残酷を克服する術を手に入れていくのです。

ーエラン・クリスー

 

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イスラエル占領下のゴラン高原、そこに暮らすドゥールーズ派の人々は国籍を持たない。ドゥールーズの女性がシリアへと嫁いでいく姿と、彼女とその家族の愛を描いている。イスラエルとシリアの軍事境界線を越えると、二度と家族のもとへ戻れない中、それでも境界を越えて行く花嫁の姿が美しい。

 

ゴラン高原 叫びの丘:ゴラン高原の村は1967年の第3次中東戦争でイスラエルに占領され、シリア側と分断、住民であるイスラム少数派であるドゥールーズ派は無国籍となった。